2008年07月30日

尼崎店おすすめの一冊 「のぼうの城」


のぼうの城
著者名:和田竜(著)
出版社:小学館
出版年:2007.11
ISBN :9784093861960


時代小説が大好きだ。大好きがゆえ、細かいところにこだわってしまう。
たとえば50騎は50人ではない。供廻りや替え馬をひく者がいたりするので、動員兵力はその4〜5倍になる。50騎ならば200人、25万騎ならば100万人以上となる。寡兵をもって大軍を破る物語なので、その辺の書き分けがはじめ気になった。
間違っていた。読み進むにつれ、「そんなの関係無い」と踊りたくなるような、極上のエンターテイメントである。

城主の一門である成田長親は、小者や領民から愛情を込めて「のぼう様」と呼ばれる。公方様ではなく、でくのぼう様なのである。
ひょんなことから城代となった成田長親は、石田三成と戦うことに。
そんな彼を助ける3人の武将。そして彼に思いを寄せる城主の姫。小気味のよいテンポで物語は進む。脚本として書かれたというのもうなずける。

水のように型にはまらぬ心を持ちながら、決して優柔不断ではない。正しいと信じたことは妥協を許さず、貫き通す。茫洋とした外見からは窺い知れないスケールを持つ。ただ、本人が気づいているかどうかは分からないが。
暑いこの季節、読後の爽快感は保証付きの1冊。
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