北方領土特命交渉 著者名:鈴木宗男(著)
佐藤優(著)
出版社:講談社
出版年:2007.12
ISBN :9784062811668
『L changed the WORLD』。この映画をご覧になっていなくても、猫背で白いシャツを着た上目遣いのメイクした青年の大きなポスターは目にされているかもしれない。大ヒットした『デスノート』『デスノート the Last name』のスピンオフ作品である。
藤原竜也演じる夜神月(やがみ ライト)と松山ケンイチ演じるL(エル)。お話を知らない人には、どう見たってL(エル)が悪役に見えてしまう。
鈴木宗男氏と佐藤優氏。両氏ともなぜかヒール(悪役)がよく似合う。さしずめ相対するベビーフェイス(善玉)は外務官僚か。
プロレスのように勧善懲悪がはっきりした単純な世界ならまだしも、現実の世界では正義と悪の判断は難しい。
佐藤優氏の情報分析力、情報分析に基づいた鈴木宗男氏の行動力、それに裏付けられた二人の意見は、かなりの説得力を持つ。
その対極に、よく言えば安定を求める、悪く言えば不作為、即ち何もしないのだから何も変わらないし、失敗を恐れ、国益とは正反対の保身に汲汲する外務官僚の姿がある。
本書のコピーに「極上のスパイ小説」とあるが、架空のお話ならば愚か者を笑ってすませられるが、鈴木氏の言葉どおり、すべてが事実ならば、この国に将来はあるのかという絶望に近い危惧を覚える。
情報に惑わされること無く、自らの責任で判断をくだすことの大切さを教えてくれる一冊である。
